VOL.8

目となみだのお話
目の表面は、薄い涙で覆われています。一口で涙といっても、実は3つの層に分かれています。
今回のハマノ眼科だよりでは、この、涙についてお話したいと思います。

●涙の量は?
 私達の目の表面は、常に涙によって覆われています。この涙の量というのは、本当に少ないものです。また、寝ているときは、ほとんど分泌されません。起きている時間を16時間とすると、1日の涙の量は、0.7gといわれています。つまり、1年分の涙を全部集めても牛乳瓶(180cc)二本分にも満たないのです。
■年齢と涙
涙の分泌量は10歳代を境に、年齢と共に低下していきます。ある年齢まで、何の問題もなくコンタクトレンズをしていた方が、急にうまくいかなくなるのは、涙の量が減ってくることに原因があることが多いようです。ですから、子供のドライアイがおこることは大変まれです。ドライアイ専門外来でも、子供のドライアイを診ることは、ほとんど有りません。

■涙の構造
涙には7μm(1000分の7ミリメートル)ほどの、本当に薄い膜ですが、下から順に、粘液層、水層、油層に分かれています。粘液層は、本来水をはじく性質を持つ目の表面を親水性にします。水層がいわゆる涙といわれている部分です。最表層には、涙の蒸発をふせぐ油の層があります。


正常な涙の表面

●涙の役割は?
涙の役割は、1)殺菌成分や免疫成分を含んでいて、目を外界からの微生物による感染から守る。2)目の表面を滑らかにして、角膜が目の主レンズとして光学的に働くようにする。3)目の表面を常に濡れた状態にして、目の表面の細胞を保護する。4)目の中のゴミを洗い流す。などを中心に大切な役割をしています。どの働きも大切なのですが、最も大切な働きとしては、目の表面の保護が挙げられます。目の表面は、透明な細胞層によって構成されていますが、この細胞は乾燥に大変弱く、乾くと死んで脱落してしまいます。厚さわずか7μmという非常に薄い涙の膜が、大切な目の表面を守っています。この涙の膜に異常が起こるのがドライアイです。


●涙が減るとどうなるの?

涙が減って、目の表面の細胞が乾いて死ぬと、目に小さな傷ができます。目の表面は、人体の中でも、最も神経が集まっているところの一つで、ほんの小さな傷でも、敏感に違和感や異物感、痛みとしてとらえます。これがドライアイの症状となります。

■目が乾くと感じる方は
涙の出かたは、自律神経によってコントロールされています。副交感神経が優位のとき、つまりゆったりとした気分の時には出やすくなります。交感神経が優位のとき、つまり緊張した時には出にくくなります。非常に緊張すると、口のなかがからからになるのと同様、涙も出にくくなります。ドライアイに最も悪いのは、ストレスや睡眠不足です。目の乾きを感じる方は、ゆったりとした気持ちと充分な睡眠を忘れないようにしましょう。


ドライアイの涙の表面

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